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指導者の紹介 代表 小林寛道

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小林寛道 東京大学名誉教授
1943年6月生まれ 世田谷区立経堂小学校、緑ヶ丘中学校、都立新宿高校、東大教育学部体育学健康教育学科卒、東大大学院教育学研究科体育学専門課程修了、カリフォルニア大学サンタバーバラ校環境ストレス研究所に留学(ポストドクター研究員) 学位:教育学博士(東京大学)
 2022年8月撮影
職歴:名古屋大学に就職(1970~1986)総合保健体育科学センター助教授。東京大学に転任(1986~)。東京大学大学院総合文化研究科教授、2006年に定年退職。名誉教授。東京大学大学院新領域創成科学研究科(2006~2013)寄付講座特任教授、日本大学特任教授(国際関係学部)、東京大学スポーツ先端科学研究拠点特任研究員、静岡産業大学特別教授(現在)を歴任。日本発育発達学会会長(13年間)、日本体育学会会長(4年間)、(財)日本陸上競技連盟科学委員長(10年間)など歴任。第16回秩父宮記念スポーツ医・科学賞功労賞を受賞。

 大学院生の頃から子供の体力運動能力の発育発達に関する研究に取り組み、最大酸素摂取量の個人別発達の経過を数十名について14年間(幼児期から中学生、および小学生期から高校生期)にかけて縦断的に追跡測定した。繰り返し測定した回数は1万回におよぶ。この結果から、幼児期からの活発な運動は、思春期発育の時期に大きな機能発達を導くことを明らかにした。青少年期に形成された体力のピーク値は、中年期・高齢期を通してその人の生涯の体力レベルに影響する。ただし、その期間の生活環境や生活態度によってピーク値からの乖離の大きさには個人差が大きい。
中高齢者の運動愛好家や市民ランナーを対象に最大酸素摂取量の追跡測定を行い、体の調子が良いときは最大酸素摂取量も大きな値を示すが、90歳のマラソンランナーや80歳代のランナーの追跡測定から、運動の持続力にかかわる最大酸素摂取量の大きさは、年齢とともに徐々に低下し、ある水準以下になると激しい運動ができなくなるという経緯をとらえた。トレーニングによって年齢進行にともなう必然的な体力低下は止められないが、体力の水準を相対的に高く保つことができる。
これらの研究結果から、人間の健康を保つためには、激しく運動するよりは、正しい体の使い方を身に着けて、心身へのマイルドな運動刺激を加えることが健康長寿の秘訣であると考えるようになった。
陸上競技選手の国際競技力向上に向けた研究に取り組み、身体コンディションを良好に保つための医・科学サポート、高地トレーニング(コロラド、飛騨御嶽)、低酸素トレーニング、食事栄養のサポート(アミノバイタルの発明)、新しい視点からのトレーニングマシンの開発(認知動作型トレーニングマシン)などに取り組んできた。近年では、認知動作型トレーニングマシンを備えた「十坪ジム」「QOMジム」「健身塾」などでの指導を通して、健康長寿や一人一人の人が健康で快適な生活を送ることができる実際的な健康増進のための方法や実践指導を行っている。指圧やマッサージと運動刺激の相互作用に関して、独自の観点から研究を進めている。